Now saving... 2019-04-17 23:32:24 |
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「こんにちは」
長椅子に座る人物__ユクモ村の村長__は自分の顔を憶えていてくれたようで、明るく答えた。
「まあ、ユガ様。お久しぶりですね。どうぞお座り下さい」
そう言って自分の隣を指す村長に、ユガと呼ばれた旅人は答える。
「それでは失礼して。 ご無沙汰しております。最後に来たのはもう六年も前になりますか、時が経つのは速いものですね」
「本当にその通りです。あんなに小さかったのに、ここまで大きくなられて。その装備も、大変お似合いですよ」
ユガは自分の身に着けている装備、ユクモシリーズを見た。ユクモ村付近の狩場である渓流で採れる、ユクモの木を主な素材として作られている。ユクモ村の防具屋でも販売されており、駆け出しのハンターが身につけるにはもってこいの装備だ。そして背に携えているのはユクモの太刀。こちらもユクモの木をメインに作られていて、ユクモシリーズと同様に駆け出しのハンターが好んで使う。どちらも、以前自分が「カッコいい」と言ったのを憶えていた父が用意してくれたものだ。
「ありがとうございます。訓練所卒業の祝いにと、父がこしらえてくれたんです。」
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