月 2019-04-17 23:06:06 |
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>Virgo
(隣に自分以外の温かな存在を知覚した時には既に夢の中。抱え上げられたことも知らず、まるで揺り籠のように心地良い相手の腕の中で、これから起こる波乱万丈な人生など露知らず、安寧なる静寂にしばしその身を委ね。次の寝覚めはなんの前触れもなく唐突に訪れた。大きな欠伸と伸びをしながら、もそもそと起き上がり、眠い目を細め周囲を何となしに見回す。どういうわけか全く見覚えのない空間、室内を照らす月光に誘われるように窓の外へ視線を投げると遠くの方に白い花が咲き乱れる丘が望めた。ぎょ、と驚きから飛び上がり窓辺へと駆けて。見間違いではない、確かに先刻夢の出来事だと思った景色が広がっていた。「…どうなってるんだ、これ」零した疑問は静かな室内へと落ち虚しく響く。誰か居ないものか、現状を打破してくれる存在を探して室内へ視線を流してみて)
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