離して、良いよ。 (必死に堪えようと思ったはずの涙は相手の動きを見るたびに勢いを増し。かすれ、震える声をやっとのことで発し。「僕は…」とうつむきながら話すが相手のはっきりした声に驚き軽く目を見張って。相手の手から優しく離そうとするも体力のない自分の力では相手の握力に勝てるはずもなく「ごめん…ごめん…離して。」と小さく言いながらドアの前に座り込んで)