その手をただ携えて/〆

(了解しました！
絡み文ありがとうございます！だいぶグダグダな返しになってしまったことお許しください)

ふーん…嬉しくないことも無いけど、リハビリ中あんなに見られたら気が散るわ。まぁポツンと1人だけ外人がいたら気になるのもわかるけれど、女性に対する配慮が足りないんじゃなくて？

(依然として動かない足を手で持ち上げ、片足ずつ車椅子に乗せる。両親は忙しいのだ。助けなどいらない。自分でなんとかする。そう思いながら、ぐらぐらと不安定な車椅子をなんとか抑えながら腰を下ろし、ようやく外に出る準備が完了する。大人しくしているのはあまり好きじゃない。暇があればこうして勝手に病室外出てみるのだった。今日はどこに行こうか。行く先も考えず、ゆっくりと手で車椅子を動かしていく。ふと、見た事のある後ろ姿を見つけて近づいていくとそれはやはりあの男だった。リハビリ室でこちらを見ていた男、どうやら買い物をしているらしい。こうやってぶらぶらするよりも面白いものを見つけたと、悪巧みするような笑みを浮かべ、声を掛けてみると、やはり初見のイメージと一致した。たどたどしい口調を聞いて、さらに口角が上がっていく。しかし、次の言葉を聞いて今度つり上がったのは眉であった。「エレーナ･ロマノーヴナ･ベルノヴァよ。」怒ると言うよりも癪に障った。たしかに日本に較べで長ったらしい名前なのだろうけれど、テレビなんかでは何度も出てるし、覚えていてもおかしくないはずだ。スケートに興味が無いのかもしれないが、こちらにもアスリートとしてのプライドがある。「で？こっちの名前を聞いておいて貴方は名乗らないの？」車椅子なこともあり、どうしても下から見上げる形にはなるが、見上げる目に力を込める。こんなことに意地を張るのは子供っぽいと言われるかもしれないけれど明らかに強めな態度をとってしまい)