2019-03-28 21:38:49 |
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(先程の氷壁は溶け始めている、このままでは彼の身にも何か危ないことが起こるかもしれない。けれど自分には何かすることなんて出来ず、無個性な自分を呪うばかりで。こんな風に助けてくれた相手の手助けをしたいのに、自分に出来ることなんて大人しくしていることくらいで。折角会えた憧れの人、脳裏に刻みつけておきたくて。色々と考えていれば、相手の優しい瞳が此方の姿を捉えていて。その柔らかな笑みはあの人テレビの中の彼とはまた違った雰囲気があり、見惚れてしまうのも事実で。辺りから聞こえてくる怒号や悲鳴なんて、もう聞こえなくなっていて。それは意識が朦朧としているからか、相手の声しか聞こえなくなったのか、それすらも分からなくなりながら見つめられるのは少し気恥ずかしくて目を逸らしてしまいそうになるものの相手の姿を目に映していたくて。)
「__ッ…は、い…ッ」
(彼の自分を安心させるような言葉にはい、と頷いて。正面を向いた彼は此方を落とさないように、此方を守るように抱き締めて走り始めて。こんな風なことがなければ彼と会うことはなかったかもしれない、と思うと少しだけこの状況に感謝するところもあり。けれどそれは人としていけないことだと考えればこの時間を堪能する方が良いだろうと考え、彼の顔をチラチラと伺いながら此方が持っている彼のハンカチを握り締める。このハンカチを洗って返す、という名目でまた彼に会えたり__なんて、呑気に考えている暇なんてなく。辺りに立ち込める煙、朦朧とする意識、こんな状況をまだ頭は把握しきれていないようで。なんとか意識を保とうとしながら相手に抱えられるままになり。)
( / 出来るだけ早くお返ししたくて少々時間が空きましたので返させて頂きました。
誤字脱字等多いと思います、申し訳ないです。)
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