2019-03-28 21:38:49 |
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( / 此方に合わせて頂き有難うございます。
不備不足等無いようで安心致しました。
いえいえ、そんなに合わせて頂くのは申し訳ないので大丈夫ですよ。気を遣わせてしまって申し訳ないです。)
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(聞こえる怒号、聞こえる悲鳴、全ての声に耳を傾けるにはあまりにも痛過ぎて。誰もが逃げる中でたった1人残されてしまうのはこんなにも痛々しいことだったのかと内心で自分のことを嘲笑うのも事実。けれどこんなところで命を落とす訳にはいかない、無個性な自分でも人の役に立てるということを証明したいのに。無力な自分をこんな風に呪ったのは初めてかもしれない。炎に包まれた周りの景色が目に焼き付いて行く感覚、止まらない咳。涙目になるのを止めることはできずに周りの人間が逃げて行くのをただ呆然と眺めるだけ。腰が抜けてしまったのだろうか、立ち上がることすら出来ない。ふと頭の中に浮かぶのはあの日、テレビの中に映った雄英生の姿。あんな風に個性を自分の物として操り、圧倒的な力を持つ彼の姿が頭に浮かんで。嗚呼、彼が助けに来てくれたらな、なんて__。)
「__ッ!?」
(現れたのは大きな氷壁。その氷は自分と向かってくるヴィランの間に立ちはだかる。一瞬何が起こったか理解が出来ず、慌てて周りをキョロキョロと見渡した。その時、自らの瞳に映ったのは__あの日見た、あの日憧れた、あの日どうしようもなく惹かれた、彼の姿。一瞬死に掛けて幻覚でも見ているのかと目を何度も擦るけれど、この大きな氷壁、そして高校生とは思えない程の姿、それを見て仕舞えば思い浮かぶのはもう彼でしかない。口を陸に上がった魚のようにパクパクと動かせば驚きと恐怖が入り混じったような表情をして。此方に駆け寄ってくるのはやはり彼で、頭の整理が追いつかなくて、無意識にその少々乱暴な言葉に答えて。)
「け、怪我は…ッ…無いですッ…」
(耳に入ってくる彼の声。今目の前にいるのは、あの時テレビに映った彼。一瞬「もう死んでも良い」なんて思ったのは秘密。火の海の中、こんな風に自分に声を掛けてくれる彼の姿はまさに"ヒーロー"そのもので。彼の姿があまりにも輝かしいものに見えて仕舞えば目を見開いたまま呆然としてしまい。自らの頬を抓る、やはり本物であることに間違いはなく。こんな状況だ、夢見ているのかと疑ったものの相手は正真正銘の彼で。煙を吸い込んだからか朦朧とする意識、途切れそうな意識の中で彼の姿を目に映し。)
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