魔法使い 2019-03-28 17:06:42 |
通報 |
(/このような場を設けて頂き、有難う御座います!拙い文章では御座いますが、御検討の程宜しくお願い致します。)
希望/犬
(長い冬が明けたと言うのに、春の訪れは未だ遠く。例外に無く随分と冷え込んだ朝に厚手のストールを口元まで引き上げ、ズズ…と鼻を啜り。
私が住んでいた世界のイギリスも、こんなに寒いのかな───。冷たい空気を胸いっぱいに吸い込みながらそんな事を考えてみる。今となっては叶わない願いだが、魔法の無いあちらの世界のイギリスに、観光に行ってみたかった。
遠くから呼ばれた名前にふ、と我に返ると此方に手を振る友人にニコリと微笑み。感慨に耽けるのもひとつだが、今は授業に行かなければ。教材を抱え直し、赤毛の綺麗な友人の元へ駆け寄ると、共に教室の扉を潜り席に着いて。)
-----------------------------
(ぶすくれた顔で頬杖を突く自分の目先には学校の中庭。大きく聳え立つ大木の下に立つ生徒はよく知る姿。──今月に入って4人目か、羨ましい限りだわ。
少し癖のある黒髪を風に踊らせる青年は確かに整った顔立ちをしており、少女達が色めき立つのも分かる気はするが…。彼の悪戯を知っている所為か、女性に対する良い噂を聞かない為か、如何せんちっとも良さが分からない。此処で覗き紛いの事をしている自分もどうかと思うけれど。
へっくしゅ、と唐突に出たくしゃみに長居し過ぎたかと身を起こし。──胸焼けするようなもの、食べたっけ…。何かが胸につかえた様な違和感に首を傾げつつ、自室への道程を足早に戻り。)
トピック検索 |