美月)麗奈の琴の弾き方を見た。元から上手かった。生まれつきそういうものが得意なのはよくあることなのだが、それでも人のやり方は、様々で完璧に同じにはならない。筆跡をどんなに似せても、別人が書いたと分かってしまうのと同じだ。だが、麗奈の指の使い方を見て、思ったのだ。どこかで見た動き。輝さまそっくりだった。そして、何よりそっくりなのは、自分よりほかの者のために一生懸命になることだ。