名無しさん 2019-03-11 07:31:16 |
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(指からスルリと肩に移動した手を視界の隅で捉えながら触れてしまった事に対しての叔父の反応にふと己の指先をじっと見詰めアウトかセーフかの境界線を探るような思考が働きかけるが押し込められた扉の先に広がるレトロな空間に呑まれてしまえば店内確認へと移る脳内からそんな考えは追い出されてしまって。見渡し動く視界の中で店長らしき人物と目が合うと叔父にならうようにして頭を下げ行儀よく微笑みを残してから促されるまま窓際近くの席へと歩を進めて行く。木製を基準とした内装とアンティークランプのやわらかな光で店内全体を優しく落ち着いた空間に仕上げながら外から差す光とも調和を取る絶妙な光彩バランスに作り手のこだわりを感じつつも、向合わせに座る叔父の姿に目をやれば店の雰囲気と相性が良いのだろうしっくりとした絵になっていて撮れたとは限らないがカメラがないことが只、悔やまれる。「素敵ですね」そう目蓋の裏に写し心の内でシャッターをきり終わると好きなものを発見した時のように目を細めて対象は敢えて伏せたまま言葉を告げると、叔父のお勧め情報にまた目の色を変化させてふむふむと差し出されたメニュー表を開き)
「いえ、まだ食べれてなかったので丁度良かったかも。コーヒーとパンケーキに、マスターオススメ日替わりサンドかあ。……ふふ、ははっ、バレたのなら仕方がありませんね。小学校付近に新しくマンションが建ったのは知ってますか? あそこに越してきたんです。」
(昼食についての問いに答えながらメニューをパラリパラリと捲っていく、写真より文字の方が多い"らしさ"を感じる作りではあるがひとつひとつに小さな文字で説明が施されているので大変判りやすい。コーヒーとパンケーキは絶対に頂くとして、あと1品ぐらい余裕で腹に納めらそうかもと叔父に会う前までの胃の重さは何処に消えたのか現金な胃袋に苦笑を落とし掛けるが、ここで名推理に立てられた叔父の人差し指が登場すれば明るく前に笑いを吹き出してしまい、口元をメニュー表で隠し犯人のような前フリを軽い調子でして見せては新居の場所を簡潔に述べてみる。学校付近と言えばそれだけで伝わるだろう、さすがに昔より遠くあるが十分に近場といえる距離だ。それでも付け足された言葉には思うところがあり反応を迷わせてしまうのだが、そこでテーブルにコトリと水が置かれ店員が来たことに気が付くと一先ずは決めたものを頼んでしまおうかとメニュー表を置き「おじさんは決まりましたか?」と伺うように尋ねてみて)
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