魔王系上司 2019-03-11 00:51:08 |
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(朝の出勤、まだ鮮明さを残す冷たい空気を吸い込みながら人通りの波を流されるように職場までの道を歩いていた。春だと言うのに寒さの残るこの微妙な季節は好きになれない、早足で歩くこと数分扉を潜りエレベーターを使い上の階へ。自分の部署へと辿り着くと直ぐに近くにある次席へと荷物を置くと部下挨拶の声が一向に聞こえない、周りを見渡すと皆神妙な面持ちでよく見れば怯えている様を確認すると部署全体に張り詰めた空気感に全てを察した。ちらちらとある一定の方向を向く目線を辿ると、ほらやはり。笑顔を浮かべ何やら辺りを見渡している彼が原因なのは一目瞭然、大方その手にしているファイルに関する仕事で周りを巻き込んでいるのだろう。爽やかに朝を迎え仕事を始めたかったのにと溜息が出てしまう、席を静かに立ち上がりその人物へと歩み寄ると
「───おはよう御座います。何があったのかは知りませんが、仕事の邪魔です。早く座ってこの書類の山さっさとどうにかしてください…。」
片付いている、とはお世辞にも言えない机だがその脇にこれでもかと重ねられている紙の束は今日中に提出するべきものだった筈。上司だからと仕事の手抜きは許せるはずも無く指先をその山へと向けと、ぴしゃりとそう言いのけて。「皆、自分の仕事に集中しろ。」と部下含め声を張り上げるようにして目線を配ると、静まり返っていた部屋は何時ものざわめきを取り戻したようだ。朝からなんだと言うのだ本日2回目の溜息が溢れた。)
(/絡み文の方ありがとうございます!いえいえ、お忙しいのはお互い様ですので主様のペースで無理のないようお返事下されば大丈夫ですよ!ご家族が大変な中ですのでご自身のお身体もお大事にして下さいませ。)
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