真夜中のピエロさん 2019-02-19 14:27:51 |
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(公園沿いの歩道を三匹の猫が通り掛かる。二匹の間に一匹の猫を挟みそれぞれの肩を貸して歩行をサポートしている姿は一見献身的にも見えるが、中心の黒い猫は生々しい殴打の痣が顔、破れた服の箇所から覗き、布地で隠れている腹は両脇の二匹の談笑の合間合間で思い出したように強く肘で殴られていて)
『ところで飽きてきたなァ?重いしよ、この辺でいいだろ』
『ココまでの運賃はキミの全財産で?す』
『これに懲りたら2度と俺達ニャンマル組のナワバリに手ェ出すんじゃねェぞ?』
「……………」
(腰のポケットから財布を取りだしその中身にいくつか満足したのか、ニヤリと卑下た笑みを浮かべて財布で頬を撫でてくる右隣の猫を全身の痛みで霞む視界の端で捉えると口の中にたんまりと含んだ血と共に唾を投げ掛ける)
「……ぐっ、あ……!」
『この、余所モンが』
(地面に叩き落とされる衝撃と道中で受けていたものとは比べものにならない強烈な一撃を腹に受け、屈辱を増す悲鳴を堪えるべく唇を噛み耐えしのごうとする)
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