とある妖怪 2019-02-13 00:15:11 |
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>千里
…今宵は興が乗らん。妙な心持ちだ。
(窘められては微々たる変化ながら苦々しく表情を歪めて一時押し黙り、視線を注がれる居心地の悪さから逃れるように顔を逸らして。注いだは良いが手付かずのまま放ってしまっている酒に視線を落とすと、柔らかな風が吹いて相手からの言葉に呼応するかの如く微かに波打ち、目を細めては静かな声で独り言ちるように述べ。いつにも増して憎悪に駆られ妙に胸騒ぎがするこの感覚は初めての事では無く、苛立たしげに息をつくと手元にあった掌大の岩を淡々と手中で握り潰し、粉塵と化したそれを風に乗せて今はまだやり場のない怒りを紛らわせ)
>辰巳
言っただろう、今宵は興が乗らんのだ。せびるも何も無い。
(元はと言えば同じ思いでこの場に出向いた身。相手の抱く疑問も尤もだと感じつつ友を見送る最中の彼に恨み言を吐く気にもなれず、口を閉ざして再び視線を遠い灯りへ向けるに留まり。礼儀正しい所作と奥ゆかしげな口振りは少なからず好感を抱けるもので、言葉を交わすうち徐々に心が凪いでいくのを感じながら謝罪を受ける道理は無い事を伝え。さて席を外そうか、と腰を上げかけた刹那、隣へ座す許可を求められると「…折角の友との別れだ。邪魔立てする気は無いのだが」と首の後ろに手を遣りながら答えて)
>斬
…ああ、構わぬ。
(背後から答える随分と低姿勢な声に敵意が含まれている様子は無く、その正体は知れずとも過剰に威嚇するような相手ではないらしいと分かれば幾分か警戒の糸を緩め。問い掛けに短く答えると、未だ熱を持ったままの煙管を手中で弄び。しかし己の見目が時として何もせずとも他者を萎縮させてしまう可能性があるのは承知の上。わざわざこの場に居る事を選ぶとはその態度に反して肝は据わっているらしいと思考を巡らせては「姿を見せてみよ」と僅かに振り返り肩越しに声を掛け)
>白
白。…暁鬼だ。酒呑童子と呼ばれる。
(素直な態度には悪い気はせず、静かに告げられた名を復唱すると其方へ視線を遣り、同様に名を名乗ってから問われた内容としては幾分か不十分かと思われる点を補い。しかし始めの問いに対する返答が無い事を思えば「何用か」と再度同じ言葉を紡いで)
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