▼ 2019-01-31 23:15:51 |
通報 |
>カルミナ(シュウ)
(飼い猫の言葉を、一から十まで額面通りに受け取ることはしない。少なからず打算や保身、そして恐怖や愛への渇望、人間の発言はどれかに彩られているというのが、これまで数多の人間を愛し、慈しみ、破壊してきた怪物の経験則だった。故に貴方の言葉も信じない―否、信じるにも疑うにも値しないと思っていたのだが。涙ながらに告げられた言葉が、いやに鼓膜に焼き付いた。此方から言葉は返さず、代わりに触れるだけの口付けを貴方の唇に落とす。ふと周囲の空気がざわめいたのは気のせいではない、原因は怪物が放つ魔力。あまりに強く、あまりに濃密なそれに誘引されるかのように、どこからか黒い茨がびっしりと這い回り、いつしか天井やベッドの天蓋は茨に覆い尽されていて「俺はなあ、カルミナ。君を愛したい」同じく、それだけは確固たるものであると言い聞かせるように口にする。伸び続ける茨は意思を持っているかの如く、貴方の手首に巻き付いて、その棘で容赦なく貴方の肌を抉って)
トピック検索 |