匿名さん 2019-01-19 00:10:26 |
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(交差する視線が一度伏せられた理由を察する事は出来ず、先程から胸の内で騒めく何かに本能的に抑制しようと膝の上で掌を合わせ指先を絡め合わせ、控えめな祈りの姿勢を。言葉を紡ぐ彼女が何を伝えたいのか、胸元に置かれた掌に続いて鮮黄色の瞳を捉えて紅茶も手に取らずに今度は此方が全意識を彼女へと向け。一瞬の言葉の詰まりが己の想像を絶する惨劇を思い浮かべていたとは知らずに臆病な視線を送り続けたまま温かみのある言葉を受けるとその朗らかな声に乗せられて照れ臭そうに微笑みを浮かべ。漸く紅茶に手を伸ばし冷えた指先を温めるように両手を陶器に添えて口元まで運び一口ごくりと飲み込み。口腔から胃へと落ちてゆくのを感じながら人々が求めて止まない全愛な天使が何故己を選んだのだろうと疑問を深めながらティーカップをソーサーへと戻そうとしたその刹那、指先の力が何かに引っ張られる様に抜けてしまうとするりと指の間から抜けたカップは重力に従って床へと大きな音を立てて割れ落ち。慌てて相手に破片や熱湯が飛んでいないかと顔を上げた時、側にいるはずの相手の姿が赤黒く見え思わず其方へと腕を伸ばし)
________ご、ごめん、ニーナッ…!大丈夫…あれ………
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