鯨木かさね 2018-12-31 13:01:56 |
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>折原臨也様
(やはり彼は彼という存在だった。こんな混じれた言い回しをするのは何時もの事なのに先程見せた優しさだけは偽物ではない事がなぜか心を締め付ける、それに看病という理由をこじつけて。自身の過去を請求するのはさすがといったところか、下げられた皿を合図に口を開くも誰にも話したことの無い過去のうっすらとした記憶を脳の奥底から古い本棚のように誇りを被っていたそれらを呼び起こした。「…私も昔は人間の子供同様に育てられていました。」重々しく語る過去に、脳裏に過ぎるのは子供だった自分。今よりも表情には喜怒哀楽が現れていたはずのその記憶に語る口は段々と重く感じ、ここで出会った澱切陣内という人物がこの頃どんなに恐ろしいものだったかも全て話して。「私はもはや、澱切陣内社長の道具として扱われました。ビジネスに使えるものは全て使うのが澱切陣内社長のポリシーだったともいえるでしょう。…私は罪歌を持たされ、元々あったこの血もあの方の好きなように、。」語る過去は彼が描いているものとはかけ離れているかもしれない、血や泥みたいに拭えない汚職は語っていた口をぴたりと止めさせ。「…私は怪物では無かったのです。私自身彼の商品だったのかもしれませんね。」と口を無理矢理に引き上げるも歪んだ笑顔に目を細めた。)
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