鯨木かさね 2018-12-31 13:01:56 |
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>折原臨也様
(差し出されたスプーン、彼が毒見をして安全という確信は得られたものの之は一体。自分は試されているのかからかわれているのか彼の発言から針が抜かれて直球で感じる優しさになんとも言えぬ真顔を向けると、こちらに向けられるスプーンを見て間接キスだのなんだのを相手が気にする素振りも見受けられない。新手の拷問だと思い込むしかない、そう諦めてスプーンを口を小さく開けて迎え入れると「…美味しいです。」適温に冷やされたそれは普通に美味しかった、熱のある体で食欲が無かったのだが食べやすく味付けしてある其れだけは大人しく胃に入っていく。本当になんなのだ、何時もの彼とは違うその一面に翻弄される不思議な気持ちは熱とは真逆に何か突っかかる。表現し難いあまりモヤモヤと心を覆い尽くすのは名もつけられない何とも微妙な、はっきりきっかり引き摺りたくないと思うのに次々と運ばれていくスプーンに比例してそれは積み重なって行った。「…私は貴方が何をしたいのか分からないのです。この感情をなんと言えばいいのか今の私には持ち合わせる言葉が有りません、…之が嘘にしろ何にしろ私を苦しめているのは確かですが、これも貴方の計算通りなのですか?」ある程度中身の減った皿と空を見つめながら、口を開いたのは正直な今の気持ち。分からない、分からないからこそこの答えが欲しいと口を開くも言葉の足らない今の自分にはもどかしさがしつこく残ってしまう。知っているなら教えて欲しいと懇願の表情を浮かべそっと彼へと向き直った。)
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