鯨木かさね 2018-12-31 13:01:56 |
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>折原臨也様
────辞めてください。(頬に感じる感覚と耳元で聞こえる相手の声にかろうじて意識を浮上させるも座った体勢になったからか増した倦怠感にうっすらと瞼をあけたぐらいで。頬を突っつく手だけは止めさせようと絞り出すように声を出していた。タクシーに乗っているのは目視できたが、この車は一体何処に向かっているのか行き先を告げた後だから走り出しているのは確かなのに物事の終始を知らないのは不服に感じた。隣の彼をちらりと見るもこんな醜態を見せたくないと思う気持ちもあったか逆側に逸らしつつ「…どこに向かっているのですか?」自分の事務所に向かってくれているのなら特に心配も無いのに、明らかに違う方向に進む外の風景に眉を顰めるも見覚えのある此処は以前にも訪れた彼の事務所。何故ここに…。何か企んでいるのだろうか、思い通りに動かない今は罪歌があったとしても不利なのだが、無情にも開かれた車の扉はちょうど事務所前で。「…何をするつもりで…、すか。」途切れ途切れに荒い息を挟み相手の肩を掴んだ。)
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