鯨木かさね 2018-12-31 13:01:56 |
通報 |
>折原臨也様
「…そこは素直に助けてくれて有難う、と言えないのですか?…、怪我をしている貴方をあのまま放置していれば死ぬ可能性が高かったためここまで運びました。」担がれている彼は、皮肉めいた口調で自身の腕の中から出ようと無理に身体を捩らせる。身の安否よりもプライドが高い彼だからか相当な痛みがあるはずなのに尚も口角を上げ余裕を見せようとするその姿勢にはもはや執念や執着程の何かを感じた。相手を下ろすにも生憎この事務所にはベットもなく仕事に必要な物しか置いていない状況、仕方なくだが革製のソファーに寝かせる様にそっと下ろす。素直に身を沈める彼の頭に丁寧にクッションを敷いてやり、奥の方から救急箱を探し出し中を除くも有るのは絆創膏や消毒液と容易なものしかなく、今の彼にはこの程度では意味をなさない。どうしたものかと考え込むも、荒い息を繰り返す相手にはタイムリミットが近づいているのは確かに感じる。「…手当が出来る環境が整っていない此処では応急処置しか出来ません。ひとまずですがその出血を止める必要があります、服を脱いで貰えますか?」汚れや血を盛大に吸った服では衛生的にも傷にも悪い、その布を取り払った末消毒液と新品の無地のタオルでどうにか止血を試みようとソファーに近づいて。なかなか脱ごうとしない彼、そこでもプライドが邪魔をするならと赤黒く汚れたコートに手を掛け無理矢理にでも脱がそうと力を込めた。「…ほら、バンザイして下さい。」少し芽生えた悪戯心に抑揚の無い声色でわざとらしく上記を述べて。)
トピック検索 |