鯨木かさね 2018-12-31 13:01:56 |
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>折原臨也様
(ぬいぐるみを受け取った彼の表情は嬉しそうとは違う表情を浮かべていたが、楽しかった?と問われては少し首を傾げた。「…楽しかった、其れはこの人形を取った時の達成感のことを指しているのでしょうか…申し上げにくいのですが私の価値観と一般的で言う、楽しかったの価値観では大幅な違いが感じられます。確かにこの人形を手に入れた時は嬉しいと思いましたが、それが楽しかったといわれれば正直に頷けるとは言えませんね。」呆れられてしまっただろうか、正直に楽しかったと頷けるほど自分の性格は丸くない事は知っていた。だが、連れてきてもらった相手にこんな事を言うのは失礼なのに、訂正を加えようと口を開いた瞬間、彼は違うゲームへと移動していまう。謝る機会も与えられないまま、カーゲームにリズムゲー厶、格闘ゲームにと様々な種類をこなしていく中、彼はそんな自分の姿をただ見ているだけだった。まぁ、ただ見ているだけのその行動は観察されていると言った方がいいのか、特に何も言わない彼は一体楽しんでいるのだろうか?休憩所に残された自分は片手にジュース缶を握り思考を巡らせていたのだが。前方の方からなにやら騒がしい集団が此方の方向に歩いてきた、ガラの悪い彼らはそれに見合った下品な表情を浮かべ何やら自分の腕を掴み、守ってやるだのお門違いも甚だしい、そんな事を言っている。掴まれた腕を見つめると眉を顰めて「…すいませんが、一人ではありません。連れがいますので貴方方の相手をする訳には行かないので、どうぞお引き取り下さい。」面倒なことは避けたい、丁寧に言葉を選んだつもりだが逆効果だったみたいだ、「あ?、んだよ、彼氏待ちかよ。」舌打ちと一緒に零れた言葉に少し黙ってしまう、今待っている相手は彼氏ではない。取引をした取引相手、正直に答えようにも流石に説明の言葉に口が籠もる。何とかこの場を穏便に収めるために仕方ないが今いない彼のことを利用しよう、彼がこっちの様子を伺っているなどつゆ知らず「…はい。もう暫くで彼が戻って来ます、」掴まれた腕は未だに掴まれたままだが、相手の目を見てはっきりとそう言いのけた。)
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