鯨木かさね 2018-12-31 13:01:56 |
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>鯨木さん
へぇ…、謙虚なんですね。
(唯一の友人のくくりにはいる岸谷新羅の恋路はどうでも良いが、彼の運び屋への愛は異常であり、それは自分であっても如何なる方法を駆使しても傷一つつけることの出来ない領域。彼女もそれを理解しているのか。無表情に迷いのないすっきりとした感情を読み取れば“謙虚”と表し退屈そうにほんの僅かで無自覚な、曖昧模糊な妬みを含ませ一言だけ、笑みを添えることを忘れずに返した。次に彼女がすぐに襲いかかってくることはなく取引を持ち出されれば、予想外な展開に一度目を瞬かせる。しかし彼女の手、罪歌が攻撃態勢に入るのを見るに、取引を断ったら鉤爪が猛威を振るうだろう。ある意味取引と言う名の脅しであるが、願ってもない話だ。このまま彼女と戦いを続けても逃走は成せず、情報だけ奪われる可能性のほうが遥かに高い。ただで情報を渡すよりも何か得られるなら迷うことはなかった。「いいですね、取引しましょう。」鉤爪には目もくれず少しだけ両手を広げて相手を真っ直ぐに見る。さて、何を要件にだそうか。罪歌の腑分けでも貰うか、彼女を此処ぞという手駒として保持しておくか様々な悪巧みを考えながら、一つぱっと思い浮かぶと広げていた手を勿体ぶるようにゆっくりポケットに入れて「それじゃあ、鯨木さんの一日を俺にくださいよ。」とどこかの安い恋愛ドラマの台詞を甘さのない偉そうな態度でさらっと言ってのけた。)
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