鯨木かさね 2018-12-31 13:01:56 |
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>鯨木さん
なるほどねぇ、確かにそのとおりだ。仔猫の命なんてどうでも良い。車に引かれて小さな体が無残に潰されようとカラスに肉を食われようと、狂った人間に虐待をされたって何とも思わないだろうね。そいつにとっては無価値な命。貴方の言う通りですよ。
(自分の言い分を否定されても至極楽しそうに、むしろ同感だと皮肉を交えて頷きやや演技がかった動作で手を時折ひらつかせ調子よく喋る。きっと捨てた人間は猫が残酷な目にあったと知っても気にするのはそれが人に知れて自分が周囲にどう思われるかという体裁だろう。今どき情報はSNSで一瞬で拡散される。その情報の真偽は無関係に。まあそんなことはどうでも良い。それよりも興味深いことが今目の前で起きている。無表情で無感情に見える彼女が猫に、ただの捨て猫に自分が濡れるのを厭わず傘をさすという自己犠牲的行動をとったのだ。へぇ…と思わず声が漏れた。そして振り返って言われた言葉にまた少し驚かされ少しだけ目を見張るもすぐに可笑しそうに笑って。「それはどうかな。誰かがその猫に慈悲をかけない限りその猫はどうせ飢えるか感染症にでも掛かって死ぬ運命は避けられない。その傘をさしたことでその猫の死ぬまでの苦しみを引き伸ばしたとは考えないのかな?……それにしても意外ですよ。あなたがそんな人間じみた偽善をするなんて。」冷たくみえる彼女にも慈悲なんて心があるのだろうか。そう言えばチャットルームでなりすましをされたときも“ニャン”なんて語尾を使っていたし猫好きなんだろうかと。増々興味が湧いてきてほぼ癖のように嫌味っぽく風刺するも単純に彼女の“心”に感心を持ち反応が気になった。いよいよ本降りになってきた雨、すでに服や髪は水分を含み湿っているが今から移動すればびしょ濡れはさけられるだろう。「このままじゃ濡れちゃいますし、時間があるならその先にあるカフェでお茶でもしませんか?」自分でも突拍子もない誘いをしたと自覚しつつ好奇心で読めない笑顔で聞いてみる。その先のカフェ、それは猫カフェなのだが…。)
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