ゆんた 2018-12-29 18:01:47 |
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僕には想いを寄せる人がいる。
それは、同じクラスの七瀬波瑠くんだ。
彼はとてもかわいいんだ。
例えば、学力は僕と方を並べるくらい良いくせに、運動に関しては全くできなくて、息切れを起こして、紅く染まる頬とか。
友達も、多い方でないが、とても大切にしていて、会話中の笑顔がとても素敵だとか。
ああ、僕もあの中に入ることができたら。と、いつも考えている。
最も、それは無理な願いだとわかっているのだが。
どれだけ僕が彼に想いを寄せようと、彼が気づくことはきっとない。
なぜなら、僕は、彼の前だと不器用に、虐めてしまうからだ。だからきっと彼は、僕のことを嫌いになっていることだろう。彼は優しいから、口に出さないだけで。
__ああ、でも、君を想うだけなら...。
複雑な想いのまま、僕は今日も君を見つめる。
僕の席は一番後ろの廊下側で、今は授業中だ。
席替え当初は、版書が取りにくいし、教師の話もよく聞こえないから嫌に思っていたが、今思えば、この席はクラス全体を見渡せる特等席だ。
時々、窓から吹く風に寝癖がふわふわ揺れていて、思わず漏らす息と共に、顔も緩んでしまう。
「(今日もかわいい...)」
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