笑顔だけじゃ満たされない　〆切り

(気温は十度を下回り冷たい空気に白い息を吐き出しているにも関わらず過剰なアドレナリンの分泌により今は寒さなど一切感じる事無く、赤くなってしまった鼻先を気にしつつも待機している事数分後、漸くそれらしきシルエットが此方へと向かってくるのに気が付き視線を上げた時、はっきりと見えたのは相手と明らかに相手を好意の対象として見ている陸上部のマネージャー、それも仲睦まじく歩いて来ているように見えてしまい無意識の内に握っていた拳に力が入り。「…龍海、君。」小さく呟くように出された声は怒りからかまたそれ以外の感情からか少々震えているようでもあり、一瞬表情に影を落として二人は鋭い視線を送った後、直ぐに表情は普段の皆に向けるような柔らかく可愛らしい微笑みへと変わって此方からも二人の元へと歩み寄り。相手の腕を掴んだ時、初めて己の掌から苛立ちにより握りしめた掌へ食い込んだ爪が皮膚を裂き出血している事に気がつくも構わずその他で相手の掌を包み込み、マネージャーを一瞥してから顔を見上げてから突拍子も無い発言を)
こんな遅くまでお疲れ様、二人とも。…ところで私とその女どっちが好き？

(/此方こそ有難う御座います、はい、宜しくお願い致します！)