互いの身分なんて。

(少し気持ちが落ち着いてくると
以前から何気に気にしていたとはいえほぼ初対面の相手に、今までだれにも見せたことのないような醜態を見せたこと
わずかな間とはいえ明らかに相手に下に見られて、あまつさえそれを拒むことができず受け入れてしまった自分
その両方にたいする怒りがふつふつとわきあがって)
……うるさい
うるさい、うるさいっ！
今、あんたが淹れたマズい紅茶なんか飲んだら、最低の気分がそれ以上に最低になるじゃないっ
察しなさいよっ！
(怒鳴っているうちに、また感情が暴走してきて
テーブルの上のポットに衝動的に手を伸ばそうとしたとき、さっき彼女に叱られた言葉が脳裏をかすめて)
…………っ！
あんたなんか大嫌い！
出てけっ、出ていきなさいよっ！
(手をぶるぶる震わせながら引っ込めて
代わりに彼女の背中を無理やり押して部屋の外に押し出して
大きな音をたてて乱暴にドアを閉めて)
……なんなのよ、アイツ
いったいなんなのよっ