小説家 2018-11-18 22:49:04 |
通報 |
物書きの才がある人間なんてのは大抵厄介だと相場は決まってる。お前さんは私の話を読んで、素直に楽しんでくれりゃあそれで良い、感性が瑞々しいのも一種の才だよ。
(思いの外に、彼は相手に文才が無いことを歓迎しているらしい。同業者とは馬が合わないし、そもそも物書きなんてのは厄介な人間しか居ないのだと言いつつそれに自分が含まれている事は当然のように棚に上げ。しかし相手に自分の話を読んで喜んで貰いたいという思いは強いようでそう言って。結局のところそういう言葉からも相手には甘いというのが垣間見えてしまうのだが本人は気付いていない。「そうだね、お願いしようか。…ただ火鉢が出ると、お前さんが部屋に来ることも増えるから私は執筆には集中出来なくなるけどね、」と執筆部屋に火鉢を出すと居心地がいいのか相手が本を持って吸い寄せられてくるのも珍しくはないと、それも一種の冬の風物詩だと思いながらそう言って)
トピック検索 |