青年 2018-10-29 00:37:59 |
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生前、貴方は取り返しの付かない罪を犯した。其れは死んでも償えぬ恐ろしい罪。民衆は怒濤の様に震え声を荒げ、貴方の最期を望んだ。
______肉体から魂が離れる時、最期に瞳に映った眩い青空は、憎い程美しく、感銘を受けた。チクリと痛む胸を押さえる事はもう出来ない、滲む世界を後に暗闇の中へと…。
《塔》
幾許も曲がりくねりながら天と大地を貫き聳え立つ塔。其処は前世に死んでも償えぬ罪を犯した者達が逝く死者の塔。
その塔に囚われた意志の弱い者は姿形は変わり軈て自我も忘れ、本能だけで動く肉と化す。互いに喰らい合うまで堕ちれば、悍ましい断末魔として塔内に響き渡る。
最上に囚われるは、最も大罪を犯した貴方。自決は許されず、永遠に鳥籠の中に閉じ込められている。
《出会い》
塔から逃れる事を望んでいるのか、はたまた諦め時の流れに身を任せているのか…、最上で閉じ込められていた貴方の元に訪れたのは、柔らかな笑み浮かべ手を差し伸べる氷結晶で出来た身を持つ青年。正確には生前の貴方が死際に流した涙から生まれた。貴方を襲う者達から貴方を守り、塔の世界へと連れ出そうとする。二人は様々な思いや葛藤とも闘いながら最下へ。
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