紙屑 2018-10-21 07:48:21 |
|
通報 |
【一宮悠】 「もしかして、怖いの?」 #この台詞から妄想するなら https://shindanmaker.com/681121
( もうじき時計の短針が長かった二週目を終える。すっかり静けさに包まれたシェアハウスの廊下を歩きながら時折すれ違う住人の方たちに挨拶を交わしつつ、ちくたくと勤勉に時を刻み続ける手元の時計弄りを一度止めて見慣れた部屋の扉を開けた。既に整えられた就寝準備、それを一から成してくれた彼はベッドの上に座り、ぼうっと何処かを眺め考えごとに耽っている。然し扉の開く音を敏感に耳が拾ったのか、一瞬後には現実に戻って"悠さん、御帰りなさい"と声を掛けてくれた。彼から何も言わない時は此方からも追及してはならない。なんて何時の間にか定められていた暗黙のルールを確り守りながら挨拶を返すと、時計を持ってきた旨を伝え乍らアラームをセットした其れをサイドテーブルに置いて。電気を二段階暗くすると、真昼のように明るかった室内は忽ち夜の雰囲気に飲み込まれた。手慣れた様子で奥に彼が、手前に自分が其々潜り込むとさして広くないベッドは当然の如く窮屈になる。それを少しでも緩和させるように中央へ向き合って眠る体勢を取ることも、彼と自分の間で何時の間にか生まれた暗黙のルールだった。「 暑くない? 」お休みの言葉の前に一応問うてみると彼は緩く首を横に振る。其れを最後に平らになった部屋の空気。ちくたく、時計の音が厭に大きい。目に見えない抑制力が働いているかの様に静まり返った室内は気まずく、早々に就寝の挨拶を掛けようと口を開いて彼に視線を投げた。瞬間、暗がりの中でも確り見えてしまった皺が出来るほど硬く瞑られた双眸に言葉が奥へ詰まって。耐える様に歯が口唇内側の肉を噛み噤んでいる様子も見て取れると、其れ等にもしやと思い当たる節は1つだけ。「 もしかして…、怖い、の? 」髪を梳く手付きで撫でながら様子を窺うようにそろりと問うてみると、寄った眉の間に刻まれた皺が一層深くなったように見えた。肯定も無ければ否定もしない彼は強がっているのか、… それとも怖がっているのか。自身には到底分からない恐怖。だがせめてその真っ白な霧が少しでも晴れるように、と額に唇で"おまじない"を施すと、効力があったのかシーツを握る力を少しだけ緩ませた彼の手に己のそれを被せて。後はもう互いに何も言わぬまま、此の恐ろしくも長い夜から目を塞いで逃げ出すことにしようか。 )
打てなかったから自分の長ロルで結構好きなやつ貼って打った気になる
| トピック検索 |