執事長 2018-10-04 22:19:25 |
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>ドロシー
(人間界にヴァンパイアはいない――当然の様に語る貴女に、懐古の情を禁じ得ず。私も歳を取ったわね、なんて自嘲気味にふ、と口元だけを緩め。てっきり貴女が隣に来てくれるものだと思っていたが、ベッドに座ったのを衣擦れの音で感じ取れば、やにわに立ち上がっては自分もベッドへ歩み寄り。「あら、落ち込まないで?貴女が触ってくれるのは、嬉しいのよ」出会ったばかりの張り詰めるような警戒心が解かれ、綻んだ貴女の表情につられて此方も目を細め。同じ部屋の中にいるだけでは足りないのか、わざわざソファから移動しては貴女のいるベッドの淵にそっと腰掛けて「…貴女、いくつ?随分若いのに、しっかりしてるのね」思いがけず老婆のような年増の発言をしてしまったことに気付いた頃には後の祭りで。)
>エヴァン
(――悪くない。素直にそう感じる味だ。刹那、抵抗の気配を感じてぶわりと翼を広げるが、先程の経験則から余計な怒りを買わないように大人しくしてくれた貴方の様子には満足げに目を細めて。そもそも自分は悪魔、人知では計れない存在。貴方が全力を尽くして暴れ回って抵抗しようとも、造作もなく鎮圧できる自信はある。尤も、そんな手荒な真似はしたくないが。ふと、貴方の目尻に滲む宝物を見つけてしまう。食事中に大好物をちらつかされては、我慢出来ない。唇を放せば、素早く貴方の目元に吸い付いて微かな量の涙を啜る。まさしく雀の涙ほどしか味わえなかったが、「――最高、」ほう、と熱い吐息混じりに呟かれた声は熱を帯びていて。「ん…ふふ、美味しかったからこれで勘弁してあげる。ご馳走様、エヴァン」名乗られた覚えはないが、何故か貴方の名前は知っていた。余韻を味わうようにぺろりと舌なめずりをすれば、悪びれもなくあどけない微笑みを向けて)
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