ワンルーム・マッドライフ＿〆

( 仰向けに寝転がり持ち上げた両手で支えたスマホの画面を見詰めながら考え込む事数秒、己は今一応ながら誘拐され監禁されているのだ、このまま行方不明になり年月が過ぎて皆の中に時任零は死※んだという認識が植え付けられれば家に戻る必要もない、わざわざ学校の人達に愛想を振りまく必要もない。バイト先にはやや不誠実な態度をとる事にはなるがこれでいこう、そう思えば光を放っていた画面を消すべく電源ボタンを押して再び鞄の中へと押し込み。ぐっと伸びを一つ。大きな溜め息と共に立ち上がると扉までスタスタと歩みを進めて開け放ち「…此処、俺ン家の近く？」一先ずの確認をとるも、すぐに視線の下に彼だけではなかった先の同居者の姿を捉えれば「そいつも監禁してンの？」と可愛げのないわかりきった発言を落として )