匿名さん 2018-08-03 00:08:59 |
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ん、ああ、分かった。
( 声を掛けられればはっとしたように顔を上げ、言われるがままその後を歩く。話は終わった。自分は怪物退治を命を投げうってする事となったのだ。…少々、いや、大分不安が残る。あの体が鉛玉一発で簡単に倒れる姿は想像できない。足を動かし、相手に着いて行きながらもちらりと後ろを見る。女はただそこで佇んでおり、表情までは見えない。視界が良くない事もあり、少しでもしたら直ぐに瞳の中からは居なくなるだろう。それがかえって恐怖心を軽く煽る。「…一応聞いておくが、一発で怪物を鎮めるほどの銃の腕前はあるか?」それを少しでも和らげる為の情報を得ようと、足を取られない様に注意を払いながらそう聞き。返答がどちらにせよやって貰うしかないのだが。相手は警官だ。銃の訓練など嫌でも受けているだろうし、災害などの危険から身を守る方法も知っているだろう。怪物にその猟銃が通用するかはさておき、銃の扱いに慣れている人物が持っていれば安心だ。森は静かで、先程までの喧騒は何処へやら。風が吹く音も、草が揺れる音も、蹄の音も聞こえない。ただ自分達が地面を踏む音だけが響く無音の世界と化しており。顔を上げるも、やはり青い太陽が世界を照らすだけ。光は仄かに届き、木々の間に手をかざすと手は薄い蒼色に輝く。女はあの怪物を退けていた。対処法を知っているのなら、教えてくれても良い筈だろう。いや、あの女は自分達になど大して興味もないか。怪物が彼女を嫌う要素があるのか、それとも殺してはいけない理由でもあるのか。考えれば考えるほど思考が雁字搦めに鎖で縛られていくようで、億劫になっていく。一旦思考を停止させれば、一先ずはこのひと時の散歩から何かを得ようとし。 )
ここの自然だけはいいな、伸び伸びとして見飽きない。…こんな所で見たくなかったけど。
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