閃 2018-07-29 02:28:44 |
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──宇宙連合の権威がほぼ及ばない宙域の片隅に存在する宇宙ステーションに停泊した運び屋の輸送船、
そこから一際目立つ幼そうな背丈と奇妙な眼鏡をした少年が停泊場に降り立つ。
<代金は偽造じゃねェだろうな"シュレディンガー"の坊主。>
「聞き捨てならないなぁ。そんな面倒な真似に僕が貴重な才能浪費するとでも?」
と棒読み口調で、異星人の運び屋の取り出したカビていそうな"換金装置"にガントレットのデバイスからマネーデータをスキャンし、
停泊場をあとにする。
様々なおっかない異星人のごった返す人混みを、少年は潜る様にその間を通り抜ける。
周囲から見れば、少年は格好の餌食になり得る非力さであるが、
彼の専用デバイスを用いればジャミングと電子ウィルスをバラ撒き、最悪の場合半径25m圏内の何割かの電脳回路を、証拠も凶器も無く姿無き通り魔の如く廃人状態にさせる事すら彼には容易い。
"シュレディンガー"。
宇宙連合サイバーテロチームのブラックリストを知る者らは、その戦略兵器クラスのウィザード級ハッカーをそう呼ぶ。
そのハンドルネームを代々受け継ぐ電脳ハッカーは、連合政府でも手に余るウィザード級ハッカーであり、かつその実態は誰にも未だ掴めていない。
新世代の"シュレディンガー"が、"こんなあまりにも幼い未成年である事でさえ"…。
やがて酒場を、それもハル、レジーナ、ラビらがいる酒場を偶然見つければに入り、
不器用な挙動でカウンター席に座る。
小柄な異星人も酒場の中にはいる為それ程目立ってはいない。
…が、頼んだのはバーテンダーに頼んだオーダー内容である。
「悪いが坊ちゃん、ミルクもコーラも無いぜ」
「炭酸水<サイダー>だけで構わないっすよ。あ、アルコールもクッソマズいノンアルコールもナシでーす」
と鼻につく様な棒読み台詞をかます。
それもハルら3人の眼前を前にしてである。
【改めてよろしくお願いします;】
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