魔法使い 2018-07-08 20:11:25 |
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…
(しばらく浴室前で待機していると、リーシェが風呂に入る音が聞こえ、手をくるりとその場で回した。するとリーシェの服が手元に現れ、ストンと手の中へ落ちてくる。リーシェの服を見てみると土汚れの下にいくつも血が滲んだあとがあり、赤茶色に変色していた。切り裂かれた跡や殴打によって破れただろう場所もある。この仕打ちを受けても心が折れていないとは相当精神力が強いのだろうか。自分が今まで通り好き勝手やっても少しくらいは耐えられそうだなと内心思う。それでも自分と過ごすのに耐えられなくなって出ていくのが先になるような気もするが。服を撫でるように手を動かすと、服の破れは塞がり汚れはみるみる消え去って服は元へ戻った。今度は指を鳴らすとリーシェの服は手元から消えて戻の場所へと戻る。拷問のむごたらしい跡が頭から離れないまま、その足で食堂へと向かった)
…困ったな
(キッチンへと立ち食料棚をみて思わず独り言がこぼれる。大きな棚があるのに中身はほとんどなく、棚の端にも埃が積もっている。辛うじてバスケットに入れられたりんご数個と恐らく賞味期限ギリギリであろうピクルスくらいしかない。だがそれでも何も食べていないリーシェの腹の足しにはなるだろうとバスケットにピクルスの瓶を放り込みテーブルへと移動する。綺麗な皿はおそらく存在しない、全て埃を被っているだろう。とりあえずはこれで晩餐の完成だと開き直ると椅子の前にバスケットをおき、自分はティーセットを持ってきて紅茶を飲み始める。あとはリーシェが風呂からあがり合図するのを待つだけだ)
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