後にも先にも、 （ 〆 ）

…ええ、それはそれで悲しい、（ とっくに見捨ててる、そう聞いてはぱちりと目を瞬かせるも、心地良いような擽ったいような感覚に目を細めて ）…多分、南雲クンとは反対に、今までふらふら特定の人とかちゃんと自分の中で意識しないで渡り歩いてきた人だからなァ楓くん。…やっと、ちゃんとほんとに大切にしたい人が出来たのに、こう…無意識に他人に擦り寄るというか、未だにそういう要らんことする癖が身についちゃってんのかな、（ はぁ、と溜め息を一つ吐いて ）
…ン、ふ（ 唇に歯を立てられるとびくりと肩を揺らすも抵抗することはなく、後頭部に添えた手で相手の髪を優しく撫でて ）
んむ、タルト、って聞いてきらきらしてた透哉のがよっぽど可愛いよ？……んん、（ くす、と楽しげに笑みを浮かべるも、促されるまま素直に口を開いてはまたタルトを口に含んで ）…俺も透哉に、あーんってしたいんだけど、（ もぐもぐとゆっくり咀嚼して飲み込んだ後、じ、と相手の顔を見つめて ）
っくく、南雲クンのハート撃ち抜いちゃった？（ 相手の反応に楽しげにしながら視線を絡み合わせて冗談ぽく問い掛けて ）
…もう言わない、…て言いたいとこだけど癖なんで残念ながらやめらんないかもなァ（ 困ったように、けれども何処か嬉しそうに笑って ）

…それは楓くんも同じ、だけど。…そうやって言葉にして伝えられるとやっぱ嬉しいの、（ 髪に指を通されれば擽ったそうにくす、と笑みを零しつつ ）あ、言えてるかも。あー…そんなんもう離れらんない、（ こくこくと納得するように頷いてはすりすりと頭を擦り寄せ ）