匿名さん 2018-06-10 21:12:24 |
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成合
( もう何が何だか理解するのに時間がかかったのだ。爆豪がずっとほしかった言葉を言ってくれて、でもそれを信じることができなくって、そんなことで泣いてしまって。きっと彼は悪くなかった。ただ自分がほんの少しでもそれに疑いを持ってしまったことが、何よりも好きだと思っていた彼の言葉を信じられなかったことがダメで。なのに相手に責任を感じさせてしまったことが何よりも心を揺らす。胸がひどく痛んで心臓が止まりそうだ。嫌気なんかさしていない。それが嘘でも本当でも別れたくない。彼にどんな理由があろうと今のこの状況をラッキーとして付き合おうって寝不足になりながら決めたのは私なのに。 )
…ッう、
( その時だけ力の抜けたように垂れ下がる足は、彼を見送ったまま動かない。動かせ動かせって、何かして引き止めてって、そう言っても少しだって動きやしないし言葉は出やしない。まだ少しだけ残った疑問が大きく身体を支配して、収めたはずの涙が噴水のように流れ出してきた。声を上げても制服を濡らしても彼は戻って来なくって、それだけで一生もう話せない気だってして、それじゃダメなことは少しでも分かるからよたよたと立ち上がる。もう泣き止むのを待たないまま扉に向かって歩き出した。爆豪に合わなくっちゃ心とか精神とかそういうものが全部壊れてしまう気がして。 )
上鳴
( 今の俺の状況を一言で表すのなら、全俺が満場一致で『クソカッコ悪い』だった。見せ場も奪われて爆弾を落とされて、それにちょっとした嫉妬をしているのを見抜かれた上絶賛赤面中。少女マンガだったら俺の方がヒロインなんじゃねえかと錯覚するくらいの大惨事だろこれ…この後もうマトモにデートとかできる気がしねえもん…。…まあとにかく、これから挽回しなくちゃなんねえことは嫌でも分かる。それができるかは別として、…いや、やらなくちゃダメだ。だって俺超ダセーし!このままじゃデート大失敗で終わるし!耳打ちしたあいつよりかっこいいとこ見せて終わんなきゃダメだろ! )
…わすれて。
( やっとのことでまだ少し熱の残る顔から手を離し、雑貨屋の方へ足を進める。未だ笑っている耳郎にはしどろもどろになりながらもそう覇気のない言葉を返し、小さく肩を落とした。もうマジでダセー…。これ相手耳郎じゃなかったら本気で1週間凹んでたかもしれない。…いや耳郎だからこそダメージ大きいのかもわかんねえな。仲の良い、それも女子にこんな姿を見られた精神的なアレってのはかなりデカいみたいで。「挽回する、から。笑ってられんのも今のうちだかんな、」不満そうにそう言ってみせる。でもやっぱりまだ顔はちょっと熱かったからそれほどかっこよくはなかったかもしれない。そうだろうと半分は自分への自己暗示として、もう半分は意思表明としてそう伝えて。 )
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