匿名さん 2018-06-10 21:12:24 |
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爆豪
( 己に重ねられた奴の手をぼうっと見遣る。女は皆こんな細く節もないすらりとした指なのだろうか。そして微かに震えているように目には映って、ちらりと相手の顔へと視線を促した。余裕のなさそうな面だ。手を、と言っただけなのに少し前とは打って変わって異常に険しい表情になった。見詰めても気まずくなるのは目に見えているのですぐに視線は手に戻す。 )
……。
( それ以上言うことなんて無かったから、何も言わずに握り返して繋がれた手を引いて歩き出す。最後に誰かと手を繋いだのは一体いつの事だったか。そんな風に記憶の断片をなぞりながら懸命に思考を巡らせる。こうして思い出に縋るのは手の繋ぎ方というものを思い出すため。思い出さなければいけないと感じるほど、取りあえず最後に手を繋いだのは昔日の事で、きっと彼女と同等な程に緊張していたという事。情けない姿を見せないように必死で情けない話だ。ただ握り返せばそれで良いのだろうと頭では分かっているものの、どうにもそれだけでは無いように思えて自然と口数が減ってしまう。振り向くことは無い。出来るだけ歩幅を狭くするように心がけながら歩を進め。 )
耳郎
……、…うそ。
( 心臓がとても強く高鳴った。それがあまりにも強いものだから、まるで太鼓を叩いた時のような音がいつまでも鼓膜の奥でこだましているような気がした。小さく零れた言葉は紛れもない本心。だって、まさかこの上鳴から贈り物を受け取る日がくるなんて思ってもみなかった。呆然とケースを受け取る。中身は見なくてもなんとなく分かる気がした。でも恐る恐る蓋を開けてみると照明に反射してきらきらと煌めくリングを見た瞬間に思わず頬が緩み瞳が潤んで、頬が熱いことに気が付いた。 )
…ありがとう。……うれしい。
( 今日の礼って、自分は何もやってない気がしてよく分からないけれど嬉しいことに変わりはない。それにお礼を言いたいのはこっちの方なのになあ。いつも何かを貰うのはこっちの方で、それが少しだけ不服。でもやっぱり喜んでしまっているから自分はずるい。そこで初めて顔を上げて、「…通す指、わかんないから上鳴さんに嵌めてもらいたいんだけど?」そう言って彼に手の甲を上にして差し出す。ちょっとした冗談のつもりだった。些か意地悪な事を言っていると気が付きながらもに、と微笑みながら小首を傾げて頼んでみて。 )
( /此方こそ毎度なかなかすぐにお返事できず申し訳ない限りです…。
背後様の仰った通り、不甲斐ないことに何度かぶり返して少し大変でしたが、お陰様で今ではすっかりすっきり完治しました!私情でこれから風邪なんて引いてられないほど忙しくなるのでしっかり対策しようと気を引き締めております。
背後様も寒い日が続くようですから、どうか暖かくしてお過ごしください。良い大晦日が迎えられますように… )
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