主 2018-06-04 19:42:58 |
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_ああ、そうしてやるよ。…優しい主人だからな、
(口角を意地悪く釣り上げれば、すうと水色の瞳も弓なりに曲がる。腰を屈めると皮膚の薄そうな首筋がよく見えて良い。小さく口を開ければ、噛み付くように首筋へ口付けをした。少しだけ湿ったそこにもう一度唇を重ね、左手をうなじの方へ回した。この吸血直前の時間が程よく緊張感を持ち、体の熱を高めるのだから仕方がない。_元々体温はゼロに近いほど冷たいのだけど。静かに顔を上げた。水色の瞳に彼女の顔が映り、やはり口角はひどく上がる。「_…気が変わった」自分でも分かるくらいに意地の悪い声色だった。可愛がれと彼女は言った。気を付けると、同じ過ちは二度としないと。そう言った懇願を崩すのが、己の1番得意とするところだった。)
気ィ向いたら可愛がってやる
(そう告げ、返事も聞かずに牙を柔肌へ突き刺した。ぶすりという小気味いい音が耳を通り抜け、突き抜けた感覚と共に流れ込むのは血液で。うなじに当てた左手にぐっと力を込める。さらに深くへ突き刺さった牙が多くの血液を運んでくれてとてもいい。いつも吸血の瞬間は妙に心が躍るもので。深く、深く、もっと深く、痛めつけるように力を込めて吸ってやる。口の端から溢れた血液が妙に官能的で仕方なくて、思わず更に力を込めた。)
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