主 2018-05-19 00:25:47 ID:6c097ff19 |
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……鳥。……青い鳥。
(きょろきょろと窓の外を見ながら長い廊下を歩く。その手には革表紙の絵本を一冊抱え、もう片方の手は歩く邪魔にならないようにワンピースを軽くつまんで裾を少し上げている。
まだ少し冷える廊下は静かで、不安になる。いつか兄弟たちが先に自分の感情に打ち勝ち、置いて行かれてしまうんじゃないか。そのまま一人でここで過ごすことになるような、そんな不安が襲い掛かってくる。しかしいつまでもそんなことを考えてはいけないと思い立って、首を振る。本を抱えなおし、再び窓の外を見ながら歩きだす。さっきまで読んでいた青い鳥の絵本。幸せを呼んでくれる青い鳥がいれば、みんな苦しむことはきっとなくなると思い探していた。もちろん成果などなく、普通のよく見かけるような鳥が、外の木の枝から飛び立つのを見届けて)
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