青春の扉　（　指名制／3L／学園　）

>羽島 結弦

(馴れ馴れしい、なんて悪態をつく労力も惜しかった。というかいっても無駄な気がした。なんとなく、この人はものすごい面倒なんだと思う。ああうぜえ。本当にうぜえ。こういうのに使う時間が1番何の生産性もない時なんだろう。退けと訴えたのに何のアクションも起こさないのは余程の鈍感か異常に肝が据わった奴なのか、どちらにせよ面倒で嫌いなのには変わりない。突然変わった彼の瞳を何となく見たくなくて、ふいと目を逸らしてやればやはり舌打ちと共に「…面倒くせえ能無しだな、」と一蹴した。頬に触れる感覚は煩わしいが、どうせ削ぎ落としても逃げたり立ち去ったりしないのだと思う。もう身内で十分に学んだことだ。)
ボールの投げ方と好き嫌いのどこが関係してんだっつーの。
(シュートが決めらんないだのボールが思った方向に行かないだのうだうだぶりぶりと弱音を吐く女共も、今日は調子悪いと言い訳をする野郎共も本当に意味がわからない。ただ自分が下手なだけだろう。だって己からすれば「放れば入るわあんなもん、」これが本音なわけだから。というかこいつも構ってないでさっさと部活に出りゃいーのに。何が楽しくて後輩の世話なんて焼いているのだろう。さっさと突き放してやった方がお互いのためかと逡巡し、頬にぴたりとくっ付く相手の片手に自分の右手を重ねれば「…好き嫌いなんざ部活行ってねえ時点で察しろや、バーカ」と力を思い切り込めて相手の手の甲を抓り。)