半堕刀剣 2018-04-15 23:28:01 |
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さあ?何の事やら。( 邪魔な布を少しだけ脱がせ、かぷりと耳を食んで )
――なら良いだろう。貶しているわけじゃないんだ。…それより、早く此処を出たいんだが…。( 猫耳を取ってくれ、とジェスチャーで伝え )
( 本丸の最奥、裏口に程近い古めかしい蔵にて。普段は使い道の無い資材諸々この本丸全ての不用品を雑多に押し込め倉庫代わりに使用していたのだが、今日は刀を一振り其処へ閉じ込めて外へ出る。ポツリ、甘雫が頬を濡らし空を仰ぎ見ると、曇天の空は堰を切ったように泣き出し。この雨が不安も後悔も、何もかもを洗い流してくれたらどんなに良いかと、審神者なる男は一人雨に打たれながら天を睨めば再び俯いて自身の拳を見る。政府から審神者解任に繋り得る警告を受けたにも関わらず、自分を止められずまた刀を傷付けた、それを物語る拳は血に濡れ、それが自身の血であるのか返り血であるのかさえ判別が付かず。侵入者の気配にも気付かぬ儘、男は能面のように何の感情も映さぬ表情で、仕上げに蔵の鍵をかちりと施錠す )
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