リバーシブルタイプ ／ 募集*

　


まったく……本当に子どもみたいですね、凛都は。
(　彼女に倣って窓からグラウンドを見下ろしては確かに、と頷きそうになる。真面目に話しているかと思いきや複数で雑談していたり、走り回ったりと好き放題しているらしい。教師はどうだろうか、様子を覗けば例に漏れず先生同士で話しているのも珍しくない。自由すぎるだろ、なんて考えていると真面目な先生が校舎を見上げてきたような気がしてさっと身を引き。なぜだかそわそわしている彼女。何を言い出すかと思っていれば、提案されたのはタメ口で話すことで。親しき仲にも礼儀あり。相手が先輩だからとずっと敬語でいたが、彼女からしたら嫌だったのだろうか。もっと砕けた話し方の方が距離を縮めることができるのだろうか。うーんと考えるも、口をついて出るのはやはりお決まりの敬語。素の口調はお世辞にも綺麗とはいえない。敬語を取られたら普段よりも彼女にきつくあたってしまう可能性がある。傷付けはしないかとの心配もあり　)　
ごっこ遊びって……それ、楽しいですか？


◎


可愛くて格好良いのほんとずるい……
(　遊んでいることを注意されないのを良いことに満足するまでもちもちとした柔らかいシナモンの耳の感触を楽しみ。触っていると癖になりそうな柔らかさ。今日はシナモンのマスコットを買おうかな、なんて密かに考えて。彼のあざと可愛い狙ったような仕草を見ると思わず反射的に手で顔を覆い。彼に予測されているだろうとは思いながらもすぐに携帯を取り出すとぱしゃりぱしゃりと角度を変えつつ撮影し。元々はサンリオの写真で埋まっていたフォルダが付き合ってから彼の写真も多くなり、こっそり彼だけのファイルがあるのは秘密の話。きらきらしている彼がすべて悪いということにしておこう。見られたら完全に終わりだけれど。｢5億倍って……雛さんのマイメロちゃんのいちごタルトも美味しそう。食べて良いですか？｣知らない間に彼の姉が自分の妹のオタクと化していることには突っ込まずに　)