リバーシブルタイプ ／ 募集*

あっおい、ふざけんな……っ、凛都！
(　終わらせようとした対話は彼女が飛び出していったことで強制的に終了。この状態では追いかけたところで火に油を注ぐようなものである。大嫌いなどと叫ぶのは今までに見たことがなかった。引き留めようとした手は空を掴み、どうしようもないらしい。明日からの文化祭はどうしたら良いのだろう。他の人、か。友達の多い彼女ならたとえ自分がいなくても楽しく過ごせるはずで、しかし自分は違う。サンリオカップルに相談しようか。あの二人なら事情を話せば一緒に回れるかもしれない。いや、仲直りしなよと怒られる方が確率が高い。このまま別れるだなんて考えたくもない。ゆっくり帰路へつくが思った以上に距離が遠く、楽しいから一瞬に感じられていたのだろうとわかった。彼女の存在がそれほどまでに大きくなっていたのだと、離れてから気付く辺り馬鹿みたいだ。いつも通り受け止めてやれば良かった。いつも通り、ちゃんと譲歩すれば良かった。家に帰ると愛犬や愛猫が心配そうに此方を見ていて、酷い顔をしているのだろうと思う。さすがにメッセージでは伝えられない。電話を掛けようとするが繋がらずに　)



◎



(　勢い良くかけあがっていくオタク丸出しな二人に目をぱちぱちさせ。ああ、周りの人たちもびっくりしてる。大丈夫かと思いつつ見送っては隣から聞こえる腹の虫。それからすぐに引っ張られる手にわわっ、と驚いて声が漏れる。ピューロランドにいるからなのだろう、どこか楽しそうな彼に微笑み返して。すぐにでもドリームカフェへ、と螺旋階段を上がろうとした途端、目の前に現れたのは一番の推しであるキキララの次に好きなふわふわとしたうさぎのキャラクター。こんなに早く会えるとは思わなかった。引かれかけた手を逆にメルのいる方へと引いてしまう辺り、やはりサンリオの威力は素晴らしい。彼のしたいことが自分のしたいこと、なんて思考がまるっきり変わってしまうのだから。メルに向かって彼と繋いでいない方の手をぶんぶんと振る姿は子どものようにも見えることだろう　)
期間限定のシナモンのスイーツ、でしょ？三咲が行きたいところに行きたいから、私。あっでも、途中で____メルちゃん！メルちゃんだあ……ごめん三咲、写真撮りたい！