赤の女王 2018-03-10 15:26:43 |
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>ネイサン
選り好みしない訳じゃない。僕は僕が美しいと思った物しか描かないよ、――風景画が気に入った画法なら、今度、僕の一番お気に入りのスポットを教えてあげても良い。湖は太陽の光でキラキラ光って、花畑が色んな色をくれて、奥を見れば洞窟の薄暗さが画面を引き締めてくれる。綺麗な物だけじゃ物足りない、綺麗の中に少しの不気味さが無いと腹は膨れないでしょ。(どの技法を選んで彼の世界を作り上げるのか、浮かんだ疑問はそのままの意味で単純な興味。これ、と言った決まりが無いことを伺わせる返事に瞬きを。何処か曖昧さを含んだ声色で教えられた返事に"へぇ、"と相槌を置いてから、確かにと言った頷きを先に一つ行って前述を。選り好みしない様で芸術家に良く有る頑固な拘りを露呈し、気にしなければそのまま消えてしまいそうな彼の独り言を掬い上げ約束を。澄み切った空気の森の中を暫しの間歩いた所で漸く訪れたのは近づけばほんのりと紅茶の香りが漂う屋敷で、「此処が僕の暮らす場所、"帽子屋"の家。朝から晩まで毎日誰かがお茶会を開いてるから、暇で仕方ない時なんかに来ても良いよ。その時は美味しいお菓子を忘れない事がルールだけれど」普段お茶会を行う中庭方面を示して白衣の袖より人差し指を伸ばして向け、余計な一言を添えた誘いを続けて。その人差し指を邸の入口へと向ければ「アトリエはこっち。……あ。今更だけど、汚れても良い服?乾いてないキャンバスも多いから後で文句を言うのは聞かないよ」は、と思い出しように瞳を開き彼の服の裾をクイと引っ張る様に指先で掴みつつ前持った注意を一つ添えて階段を上り)
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