赤の女王 2018-03-10 15:26:43 |
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(駆引きを見せるようで選択肢など端から与えていない事に彼は気が付いているらしい。触れていた指先が離されるように振りほどかれれば次ぐは発言を確りと受けてからご機嫌にも眼を細めながら笑みを強めて「聡明なアリス。君の眼は確りと人を見抜けるんだね」くすくすと愉し気な笑い声を喉を擽るように落としては、獲物を捕獲する動物のように遠慮のない動き、力加減で指先に力を籠めればグと首を掴み。「その通り、最初から君を自由にするつもりなんてない。」距離を詰めるべく鼻先が触れるように顔を寄せれば瞳に反射させるように真っ直ぐに彼のことを見つめ。従順と従う子も可愛いが、そうはさせまいと抗う子とて可愛いのだ。「でも、君の言うことにも一理あるなあ。よーし、そうだ。逃げてしまう前に籠の鳥にしてしまおう」業とらしい言葉選び、まるで舞台の口上か。演技でもするように考える素振りを見せた後に喉をつかんでいた手を一瞬離し、彼の腰元に腕を回せば抱き寄せるようにグっと己へ寄せて。小さく唱えたのは呪文か、途端にぐにゃりと歪むような視界に変わる。時間にしてほんの一瞬、瞬き一つの間を以て周囲は濃い匂いを漂わせていた薔薇庭園から猫足のテーブルと黒いベッド、照明は間接照明らしい。黒で統一されるようにシックなデザインのクローゼットと三月兎から買い付けたいくつかの絵画が飾られるそんな部屋に変化を遂げて。「___久しぶりだけどちゃんと出来た」自らにとっては来るべくして来た場所、周囲を見渡し確認を取れば満足と言った雰囲気で暢気な呟きを漏らし。触れていた腕を離してから「これで君は悪魔の籠に閉じ込められた」彼の言葉を引用すべく″籠″を使いながらトントンと足音を共に部屋の中を数歩進み。彼へ背を向けるように足を進ませればキイと軋む音を立てつつベッドへ腰を下ろし、背を丸めるように膝に肘を付けば「帰りたいって言ったでしょ。残念、それは叶わないよ」マイペースな空気感を乱す事の無い淡々と落ち着いた雰囲気で、余りにも無情なその答えを送ろうか)
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