ななしのあるじ 2018-03-02 08:10:39 |
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( 恋というものは、まったくもって呆気ないものである。今までなんとも思ってこなかった異性の一人でしかなかった人が、ある時から急にきらきらと輝いて見えたりそれからその人の可愛い部分もかっこいい部分も全部`すき`という感情に塗り替えられてしまう。何だって許せちゃう。…マアでもだからと言って。 「 ずうっと私を膝の上に乗せてご飯食べるのいい加減にやめて…!!!! 」私の口からまるで絞り出すように零れた懇願は、どうやらこのきょとんとした二重の涼しげな瞳を持った彼には理解ができないようで`なぜ?`と言いたげにこちらを見上げている。普段はもちろん彼のほうが身長が高いからこうしてこちらを上目使いで見上げてくる彼を見られるのは貴重で、いつもはかっこいいのにこういう時は小動物みたいでちょっとかわいい…ではなくて!私はまた絆されそうになる自分の心を律して彼の膝の上から抜け出そうとするもそれは腰に巻き付けられた彼の男性にしてはしなやかな腕(と言っても他の男性の腕なんて彼の腕しかこんなに触れたことないけど)にがっちりホールドされていて身をよじることすらできない。私の食事はもう終わっているからいいものの、私よりも遅く帰宅して食事をする彼は毎晩こういった様子なのだ。酷いときは`君を抱っこして両手がふさがっちゃったから食べさせて`なんて言ってのける始末。しかも自分の顔の良さを完全に理解しているので自分が一番魅力的に見える角度で私を見つめながらいうものだから、スッカリその顔にほれ込んでいる私はそのおねだりを叶えてあげる他ないのだった。でも今日はいつもと違う。私は怒っているんだから。私はふん!と気合を入れて彼のほうへ向き合うと、嗚呼ほっぺにお米ついてるな、なんて思いながら、まだ不思議そうに眼を丸くしている彼へ言った。 )
なにが付き合いたてのカップルはこうして食べるのが当たり前、よ!
今日一緒にランチした友達にこれ言ったらドン引きされたんだから!うそつき!詐欺師!ばかあ!
( / なんか甘々にしたいなあとか思ってツラツラ書いていたらギャグチックになってしまいました。
返答があったら嬉しいなあ、くらいの思いを込めて。スペース感謝です。 )
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