ななしのあるじ 2018-03-02 08:10:39 |
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( 何も感じなかった。叩かれた頬の痛みも、突き放された時の辛さも。ただ、神様からの天罰だと言うことはよく分かる。今まで散々人を傷付けたのだから、これぐらいの天罰は下っても仕方がない筈だ。そっと思い瞼を閉じ乍、出そうで出ない気持ちを心の奥底に仕舞う。ただ愛が欲しくて、ただ依存したかった。誰かの中に、一生分の自分を植え付けたかったのだ。このまま消えて忘れらされるのならば、誰かに覚えていて貰おうと。自分のことだけで精一杯で、他人に目も向けようとしなかった自分の所為。彼女は何も悪くない。何故か残る抱き締めた時の暖かさを逃がさないように、何もいない空を抱き締める。自然と、涙が出てきた。失ってから始めて本当の気持ちに気付くとは、このことを言うのだろう。 )
「ごめん、ごめんなさい。傷付けて、辛い思いをさせてごめんなさい。本当に愛せなくて、ごめんなさい……!」
( 誰もいない玄関に向かって、自分の思い当たる非について謝罪をする。許されるなんて思っていないし、当然彼女は帰って来ないだろう。もう恋愛は良い、自分に本当の愛なんて作れないんだ。ぽろぽろと溢れ落ちる涙を拭えば、ただ願うように両手を握る。もう二度と、自分が人を傷付けませんように。もう二度と、彼女が傷付けられませんように。と。 )
(/人を愛せない少年が、愛人に振られた直後です。ただ自分の欲を満たす為に付き合った彼女だったけど、向けられる純粋な言葉の数々の所為で本当に惚れ込んでしまっていた。でも付き合っている最中はそれに気付けなくて別れた今、それに気付く…みたいな。ごめんなさいと何回も謝っていることに関しましては、一回のごめんじゃ済まない程に酷い扱いをしていたんだなと考えて頂ければと。)
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