70.2 miles ／ 〆　

Katy Varentys

私ったら、可愛げのない女...。これだから男も寄り付かないんだってティナに言われるんでしょうね。

( 未だに頭から離れぬ爆撃機のワードはカティの鼓動を休めさせない。廊下を端から端まで走ったかのような疲労感がナースステーションまで無事戻った彼女に襲い掛かる。
暫しデスクに突っ伏して気持ちを落ち着け冷静になると、病室を後にする際彼が何か自分の背に言葉をかけていたような気になる。しかし気もそぞろだった為か、業務に集中していた為か全くと言っていいほど聞こえていなかった。車で職場まで送り届けてもらったのにも関わらず、そんな対応では流石に可愛げが無さすぎるかとも思ったが今更確認に行く気力も無く、ただ申し訳ない、次会った時に謝ろうと、予定を先延ばしにしてゆく。何故なら先程までのあの動悸も車を降りる時の後ろ髪を引かれる気持ちも今はまだ蓋をしておきたい、そういった過去に囚われた思いがカティにはまだあるからである。
漸く気持ちが落ち着く頃には次の患者のケアの時間であり、パタパタと支度を始め業務へ戻るのであった。そうこうしている間に日は落ち夕方になる。もう彼と別れて何時間経つだろうか、しかし頭の中では車の中で聞いたあの曲と病室で聞いたワードがぐるぐると居座り続けていた。ティナに背中を叩かれ退勤時間を告げられるまで、落ち着かない頭の中を空っぽにする為にカルテ整理を行っていた。
夕暮れ白衣から私服へと着替えると、いつもに増して冴えない表情をしているカティをみかねたティナが「明日は休みなんだから、気晴らしに買い物にでも行きなさい」と笑むものだからつられて笑みを浮かべる。
家へと帰り夕飯の支度をするも、今晩で卵も野菜も切らしてしまうような淋しい冷蔵庫内に１つため息を漏らす。明日配給切符片手に買い物へ行かねばな、などと考えながら洗い物を終えると布団へ潜る。ベッドサイドのテーブルの上に置かれた少し年季の入ったロケットをパカリと開くと中には男性の写真が一枚入っている。カティはそれに微笑むと、ロケットを再び定位置へ戻し瞳を閉じる。今日は特別忙しかったからか睡魔はすぐにやってきて意識をさらっていった。)


Tina Crawdis

カティったら大丈夫かしら。...なんだかいい感じと思ったら、急にあんな風だったし、、まぁ何があったかなんて聞いても話すようなタイプじゃないし気にしないほうがいいわね！さぁ、仕事仕事！

(昨日カティが男性と共に病院内にいた時は驚いたが、男嫌いではなかったことにホッと一安心したのも確かである。しかしその1時間後には険しい表情でナースステーションにいたものだから、何かあったには違いないがその手の話をカティが嫌がることを知っている為にティナはあえて聞きはしなかった。彼女が話してくれるまで気長に待つしかないのである。
昨日は何人もの兵士が運び込まれた。基地で爆撃があったようで、今日受け持ち患者に入っているミスターモンローもその１人である。今朝から面会可能で、早くから奥さんが来ているらしい。とにかく患者が多い為に、出勤してすぐに処置のためナースステーションを後にしなければならず、ミスターモンローのカルテを読むことは後回しになるのである。バタバタと患者を順に回り、ようやっとミスターモンローの部屋に着いたのは出勤から2時間後であった。丁寧に皮膚の保護剤を変えて、包帯を巻き直し、痛々しい傷を慣れた手つきで覆ってゆく。処置を終えると意識を取り戻したものの、未だ虚ろな相手の衣服をきれいに整えるなど細かな気遣いも忘れずに行ってゆく)

( / 上げの意味も含めてお返事をさせていただきました。
まさか同じ就活生さんだったなんて、親近感を感じてしまいました...! ヘンリー本体様も就活お疲れ様でございました！

ストーリーの方ですが、久しぶりで少し展開を忘れている部分もあり読み返しながら書かせていただきました。次のパートからカティとヘンリー様のお買い物日(?)でしたよね？一緒にランチできるという可愛らしいシーンに今から胸がときめきます！
そして毎回詳しい歴史背景をお調べ下さりありがとうございます。とてもわかりやすく助けられております！今回も配給等参考にさせていただいております。こちらでも少し調べましたが、切符で買い物をするような感覚でいいのでしょうか？市場のような場所へ行ってお金の代わりに切符を使うような雰囲気で間違えないでしょうか？そのあたりまだよくわからず、申し訳ありません。
またこの後の展開としては、ヘンリー様が特別休暇で病院へ来て、そこでティナにモンロー中尉の容態を聞く。その後病院を出て町でカティに偶然会いランチという方向でよろしかったでしょうか？もしティナに会わずに街に行くかたちであれば、下のロルは無視していただいて構いませんので！
お戻りになられてすぐ質問にお答えいただくばかりで申し訳ありません...何卒よろしくお願いいたします！ )