くじらの子守唄（　指名制　）　

設定：　心音が沈む場所 

指名：　Carlo Fellini 　(　カルロ・フェリーニ　)

名前：　Nastasia Orlovski 　(　ナスターシャ・オルロフスキ　)

年齢：　14歳 

性別：　女性

容姿：　長い前髪が左流しに編み込まれた栗色のセミロングの髪。堀が深いスラブ系の顔立ち。浅い二重瞼と、茶に近いうぐいす色の瞳。160cmで身長は年の割に高め。四脚は長くすらりとしたフォルム。肌は健康な白色だが全体的に肉付きが悪く、胸や腹周り、そして両足が特に物足りない太さをしている。地中海のクルーズ船に乗船していたため服装は薄い。船が難破したその時はゆったりとして袖の広い灰色のシャツに普通のジーンズをはいていた。

性格：　  無気力でシニカル。口癖は、だって。どうせ。だから？の三拍子。理不尽なまでに理論と理屈を追い求め、感情論を嫌う。無論、本人が第二次成長期真っ只中の少女であるからには抑えきれない感情に支配される事もあるが、それさえも否定しようとする。所謂、強がり。一方で一般的な道徳感覚が欠如しており、「命ある者は皆平等」というような言葉の理解に苦しむ。命が平等なら何故、害虫の駆除や家畜を殺すことは許されるのに人権は徹底的に尊重されなければならないのだろう？―――といった具合に、誰かの言ったことにいちいち突っ込む。彼女には、同じ人間として人間を殺すべきではないという「感情論」の余地はないのだ。裏を返せば、誰（何）にでも偏見なく平等に接する、ある意味寛容で柔軟な発想を持つ、優しい心の持ち主と捉えることもできるが、考察者自身も同じ価値観を持っていないとその結論に辿り着きにくい。実際、彼女の未熟な理論には幾らでも欠点があるので、客観的に見れば頭のネジが外れた変人でしかない。空想の世界が大好きで、現実逃避しがち。哲学的思想にふけっていたり、妄想の世界で暴走していたり、頭の中は常に忙しいが、現実の身の回りはよく疎かにする。並大抵のことでは物怖じせず、肝が座っている。内向的な性格だが、言いたい事があればオブラートに包まず言いたい。

備考：　海に落ちる以前は極寒の地で暮らしていたにも関わらず、極度の寒がりで、むしろ暑さは平気。適応性がなく、ただでさえ船上生活に慣れず体調不良に悩まされていた上に、海底都市に来てからは高気圧による頭痛を訴えるようになる。

ロルテ：　

（酷く残酷な音が遠くに響き、血の匂いなのか塩の匂いなのか、涙が出るような悪臭に苛まれ、肺も心臓も脳味噌も痛い、痛い、痛い。とにかく思った、早く死んでしまいたいと―――そんな虚しい願いは叶うことなく黒い海に引き裂かれてしまったようだった。今は、自身が光のある場所で横になっている事は分かるのだが、全身の皮膚にこれといった感触がない。デッキの手すりに最後まで必死にしがみついていた指先は木に擦れてヒリヒリする。起き上がらねば……そう思うが、何処かで何かと衝突したのだろうか、力を入れた右肩には骨が折れたような激痛が走る。うめき声を上げながらのっそり腕をたてて上半身を起こすと、心臓の鼓動に合わせて鋭い痛みが前頭葉に襲い掛かり、思わず手のひらで頭を抱え込んだ。編み込んであった筈の髪の毛は手触り悪くボロボロに解けており、瞳は手の温かみを受けるとジリジリ痛んだ。恐らく、眼球は充血しているのだろう。やっとの思いで顔を上げると、全身の筋肉が一斉に痙攣を起こしそうになった。それはまるで、生きている事がアレルギーになってしまった様に。―――本気でそう思った事なんて今まで一度もないし、思う日が来るとも思っていなかった。ただ今となっては、生き延びた事が幸運なのか不幸なのか、それさえもわからない。未だに裏瞼に浮かぶ恐怖の光景ないし、呼吸器官不全になってしまってもおかしくない程怒る波に踊らされたあの経験は、擬似的な「死」と呼んでもいいのではと、彼女は思ったのだ。そこまで覚悟しておいて、今更実は生きていましただなんて、なんて情けないことだろうか。落胆して少し落ち着き、何となく周りの状況が脳に入ってくるようになった頃、光が乱反射して輝くビル群の映えるガラス窓からは、やつれた自分自身の像がぼんやり見返してきた。―――乱反射？思わず、えっ、とかすれた声が漏れた。いや、正確には、声にならなかった息がガサガサに乾いた喉を通り越して口から吐き出された。しかし、彼女にとってそんな事は些細な問題でしかなく、注意は完全に窓の外に向けられていた。小魚の群れがしれっと空中を……否、水中を、通り過ぎた窓の外に、だ。）




（／こんにちは。どうも好みにどストライクなトピックを見つけて昨晩の内にプロフを書いていたのですが、投稿する前に寝てしまったようで…早朝ですが、提出させて頂きました次第です。ロルテはかなり長文ですが、3時間のリセット期間を考慮すると普段はもう少し短くなると思われます…。とても綺麗な文章を書かれる主様にご満足いただけるか不安ですが、不備や理想と違うところなど有りましたら訂正しますのでご確認の程宜しくお願い致します。）