❀✿ 審神者養成学校 ✿❀　

　>43：黒丸鴉

（独特の光を放つ電子の箱と格闘し、かれこれ数分が経過した。十数回目の送信に対するメッセージは相も変わらず「読み取り不可」、いっそ清々しい程の強情ぶりに感心しつつどうしたものかと思案する。ふちが欠けてしまった湯呑みの新調。何時もであれば世話好きの刀に頼むであろうそれを、偶には自分でやってみるかと談話室まで足を運んだはいいものの。よくよく考えれば電子機器なぞ触れた事もない己に目の前の物体を使いこなせる訳がなく、脳内には早くも降参の二文字が浮かんでいる。結局慣れないことはするものじゃないと結論付け、唯一覚えた電源ボタンで画面を暗くした。
──そうして現在、隣の候補生に話しかけられているのだから今日は己の厄日なのだろう。疲れた瞳を休めるべくぼんやりと腰掛けている間、気付きはすれども気には止めていなかった彼女。明らかに初対面だと言うことも相俟って、問いへの答えは後に回しその観察に集中する。表情、衣装、雰囲気。それぞれを暫しの間興味深そうに眺めた後、満足したのかこくり、と小さく点頭を。そこで漸く思い出したかのように、人差し指を件の箱──確かパソコンと呼ばれていた──へと向け、のんびりとした調子で返答し。）
あいつに、目をやられてな。休息をとっていた所だ。

（／勿体無い賛辞のお言葉を頂き、嬉しさのあまり口元の緩みが伝染してしまったことをお伝えします…！場面や相手を考慮した結果、主様には②のALL文に応じる形で、物吉様と天鵞絨様には此方からのALL文で絡ませていただきました。丁寧な案内、非常に分かりやすかったです。ありがとうございました！）


　>ALL

（暖かな日の光が建物、及びその室内へと侵入し、美しい模様となってそこかしこを彩る昼下がり。明るい陽気に応えるような賑やかな会話がそこかしこで繰り広げられている今は、授業の合間の小休憩で。休みといえど十五分という制限時間がある以上殆どの者が教室に留まる中、静かにその場を離れ捜し物をするよう視線を彷徨わせる刀が一振り。…と、目当ての対象を見つけたようで、出発点から離れた無人の部屋に足を踏み入れる。迷い無く近付いたのは日溜まりとなった縁側、その心地良さに自然と口角を緩めつつ緩慢な動作で腰掛けて。こんな恵まれた日和に日光浴をしないなど、この刀には考えられなかったらしい。ぐいと体を伸ばせば"茶でもあれば良かったんだが"とふてぶてしい考えを一つ。後に控えた授業のことは思考の外へ放り出し、この環境を全身で満喫すべくゆったりと脱力して。）

（／物吉背後様は初めまして、天鵞絨背後様は大変お待たせいたしました！上記の主様への返信に記載した通り、お二方にはこちらのALL文で絡めたらと思います。ブラック本丸出身にも関わらず割とほんわかした刀ですが、何卒よろしくお願いいたします…！)