◆狸 2018-01-01 00:20:57 |
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>八百 晦日
おや、愛らしいとは少し古めかしい言い回しだったかな。貴方の可愛らしさを最大限表現出来たと思ったのだけれど、
( 良く回る口が評価する言葉の、その直ぐ後に続いた面白いとは一体どのような意図を持って発されたのか。普遍的な可笑しいという意味のそれであると仮定すると、先に口にした表現が可笑しい理由を推測しながら残念そうに肩を竦めて見せ。有り得ない話であるためかそれとも他の理由があってか、いとも容易く連れていかれることを許容したことと言い、妖の世にある此方の縄張りを安らげる場所であると想像することと言い、どうにも人の世に未練が無いと云う風に見えて仕方がない。人の世に生きる人間は形こそ違えど此の世への未練というものを持っているのだと思っていたが、それはどうやら万人に通ずることではないらしい。寂しいことをいう目の前に立つ人間は、本当に連れ帰ったとしても仕方がないと諦め其処で暮らすことを受け入れるのだろうか。なんとも哀れな思考回路を持った彼に慈愛にも似た愛おしさが胸中を占めて。「 勿論、貴方が求めるのならそれに見合う内装することだって厭わないよ。でも、そうやって期待させる口振りは私以外には言わないおくと良い 」 本気にする輩が居ない訳では無いのだからね。そう、捉えようによっては脅迫的な補足を告げては、立てた人差し指を彼の唇に宛がい鍵を掛け。「 嗚呼、良い子だね。私の言動一つ一つを良く見てくれる。そんな貴方だからこそ、是非とも教えてあげたいんだ 」 あの猫に付けられたのか、それとも違う誰かによってか、目に入る幾多もの古傷が残る手をしかと握り返したまま、月夜に相応しい甘い声で呪文を掛けるように言葉をなぞり。そのまま繋いだ手を引いて道を歩き出すと、此処からそう遠くはない目的地までの道程を退屈させないように 「 そう言えば、こんな時間まで一体貴方は何に縛られていたのかな? 」 と疑問を解消する序に話題を振り、 )
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