◆狸 2018-01-01 00:20:57 |
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>枇々木 陸
( 如何にして彼の信用を勝ち取るか。下手を打つと命の危機が訪れかねない言葉の駆け引きに息をすることも最低限に押し留められながら、木の葉の囁きが支配する静寂な場にて返事を待ち。―― 暫くして此方の圧におされたのか、彼の瞳に映る疑心が戸惑いへ徐々に色を変えていくと、此方を信ずる予兆があることを胸中で喜び。次いで発された不要の言葉が切り捨てる意ではないことにも気が付くと、何時になく真剣だった顔をぱあっと喜色に変え、「 よかった…!聡明な判断に深く感謝するよ! 」 心一杯の感謝を礼として告げて。「 鍋、かい? … それって、ええっと、あの山菜と肉を煮詰めたもので合ってるかな 」 唐突に問われた内容へきょとんと眼を丸くしたのも束の間、単語から連想されたのはずっと昔に見たことのある料理であり、今も同じものを指すのか相手へ確認を取れば、「 食べられないことはないよ。でも … ううん、人間の食べ物自体あんまり好んでは食べないかな … 」 と頬を掻き苦笑いを溢しながら返答を。「 君はそれが好きなのかい? 」続けて連鎖的に浮上した疑問をぶつけつつふと前を見れば見えてきた紅い鳥居に足が止まり。 )
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